忘れられた 面白い思い出
「ママが電話を取るとさぁ、ワントーン声が変わるよね。もしもし~って。さっきまで怒ってたのに。そんなことなかったみたいにね。」
夕食中に、長男が笑いながら言いました。
すると、子供達は大笑いして、次々にママの真似をします。
そしてそして、長男がそのことをからかって、すごく面白いことを言って、家族で大笑いしました。
ママは、いま、その楽しい様子を書こうと思って、一生懸命思い出しているんだけど、いくら頑張っても思い出せません。
あの面白かったセリフ、何だっけ?
そこで、ママより記憶力の良さそうな長男に、聞いてみます。
「お母さんの電話の声を、みんなが真似したじゃない?あの時、面白いこと言ったじゃん。」
すると、ゲームをしながら答えます。
「あぁ、あの時ね。僕、何か言ったっけ?忘れた。」
「うっそぉ。残念。すごく面白かったのに。」
「そうだっけ?でも、忘れた。」
こちらも振り返らず、あっさりと言います。
そんなぁ~。
ああ、あんなに面白がったのに、忘れてしまうなんて、何て、何て勿体ない!
この楽しかった1回きりの大切な思い出を、ママはもう、一生思い出せないのです。
残念~。
すごく面白かったのになぁ。
その結果今回は、面白いことを忘れちゃって、残念だけど、それはそれで面白いかぁって内容に、なってしまったのでした。