残業中に「寂しくない?」と電話したら「そりゃ、寂しいよ」
長男が1年生の頃に、どうしても仕事が終わらず、残業してきょうだい3人でお留守番してもらったことがあります。
19時には帰ると言っていたんだけど、いろいろあって帰れなくなったので、携帯で子供携帯に電話してそのことを伝えました。そして子供一人ひとりに電話を代わってもらいました。長男の番になったとき、
「大丈夫?寂しくない? 」
と聞いたら
「そりゃ、さみしいよ」
高くて可愛い、情けない声が帰ってきました。
その声を聞くと、もう少し残業したいと、言いにくくなってしまいました。
「そんなこと言わないでよ~。お母さん、もう少しお仕事したいのよ。」
「そうか。まあいいよ、お仕事しても。」
「ごめん。ありがとうね」
高い可愛い声を相手に、どっちが大人だかわからない会話になりました。
さて、電話を切ろうと思ったのですが、長男は切ろうとしません。
だけど、寂しいと言っている長男の耳に、私からガチャッと切るのは、どうも忍びない気がします。どうやって切らせようかと、思案した結果こう言いました。
「電話の切り方わかる?」
「うん、わかるよ」
「じゃあ、切ってみて」
すると、通話がとぎれました。
なんとなく寂しい気持ちで、心の奥で(ごめんね)って言いながら、 大急ぎで走って職場に戻りました。
働くママは、段取りが大事。
残業しない仕事の仕方を、頑張らなくちゃ、心に誓いながら。
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PTA役員 それは平日の昼間に 仕事を休むボランティア
うちの子の小学校のPTAでは、小学校6年間のうちに絶対に1回は役員をしないといけないというルールがあります。このルール、かなり厳しくて、特に幹部役員のくじをひいてしまったら、どんな言い訳をしても逃れられない恐ろしい世界なのだと、先輩ママから小声で教えてもらいました。
さて、くじをひくくらいなら、できそうな役員をやっておこうと、ルールの罠にきれいにはまった結果、楽な役員ベスト3に入る交流委員会に立候補。その仕事は、年に1度の花の苗を植える作業の取り仕切りと、冬に開催される遊休品バザーの準備です。
さて、年に1度の花の苗植え。慎重に時期を選んで、仕事が忙しくない夏の終わりを選択。休暇の申請をしました。
「あれ?参観日、午前中にあるの?」
「あ、いえ。すみません。PTAの役員をやっているもので。」
独身の男性課長補佐、触れたことがないPTAに興味を持つ。
「何するの?」
「あ、はい。花壇の草取りをして、花の苗を植えるんですよ。」
「誰が?もしかして、親がするの?」
「そうですね。どうやら先生が希望されるみたいで。」
「そんなもん、子供にやらせりゃいいじゃない。仕事を休んでまで、親がやること?」
「はい。すみません。」
いや、なんで謝る、私!
さて、打ち合わせのために、先生に電話連絡すると、悪気のない声でこう言われました。
「いや~僕、1時間目は授業なんですよ~。」
なんで?なんで授業がある日に予定したの? 疑問をおさえて、気持ちよく質問します。
「花の苗の置いてある場所とか、植える場所、備品の場所はどうやって確認したらいいですか?」
「あぁ。そういえばそうですね~。じゃあ、前日の夕方に、打ち合わせしましょうか。そうですねえ、5時半に来てもらえますか?」
5時15分に仕事がおわって、5時半!ギリギリですが、周りの白い目に耐えて学校へ。
ところが。
先生、うっかり忘れて、帰宅していました~~(泣)
さて、当日は少し早めに学校へ。
1時間目の授業が始まる前に、超スピーディーに要領を聞きました。
もう、勝手にやるからね。知らないよ?
そして、保護者に草取りを指示し、私のセンスで、適当に植えてもらいました~。
この日も、欠席者がチラホラ。まあ、仕方ないよねと思っていたら、後日欠席者を知らせろとのお達し。どうやら何度も督促をし、絶対に年に1度は仕事をさせるつもりのようです。キビシ~ィ。
私は、幼稚園の役員もやったことあるし、学童の保護者会の会長、子供会の会長、自治会での役員もやっています。
その会議は、役員同士で都合の良い時間を相談して決めています。学童の役員なんて、仕事が終わった後、子ども歓迎のレストランで、夕食を食べさせながらイベントの相談をして、総会の資料を作っていたくらいです。
「PTAが、時代に合わなくなっている」と、私も思います。
子供たちのための、ボランティアじゃなかったのでしょうか?
できる人が、できることをするという。
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ママの手抜きメニューは 子供たちの大好きなおふくろの味
疲れた日は、子供たちが大好きな、手抜きポトフにすることにしています。
子供達は大好きだけど、私にとっては材料を切って、圧力鍋を火にかけて放置するだけの、超簡単な手抜きメニューなのです。
それなのに、ポトフと知ると飛び上がって喜ぶ子供達。なんとなく聞いてみたくなります。
「なんでそんなにポトフが好きなの?」
すると、長女が指を折りながら、嬉しそうに答えてくれました。
「手軽でしょ?食感でしょ?大きさでしょ?量もたっぷり、彩もいいし、栄養も満点!味も最高!7つ星じゃ~ん。」
なんて嬉しいことを言ってくれんでしょう。
きっと将来、子供たちが久しぶりに実家に帰ってきたときに、リクエストされるお料理のひとつになるのかも。そんな大好きなメニューがあって、良かったなぁって思うのでした。
子供達の大好きなおふくろの味は、働くママがスピーディーに料理する、手抜き料理。私は、特に手の込んだものである必要はないと思っています。栄養や子供の体を気遣いながら、子供たちの味の好みに合わせて作る、シンプルな料理で十分です。
その日は、夏休みに描いた絵画の参加賞でもらった、大きなコップを持ち帰りました。
透明なコップに描かれた、黒くて可愛いペンギンに牛乳を入れると、透明な部分が白くなって、よりペンギンらしくなるっていうんで、賑やかに牛乳をコップに入れながら、楽しそうに笑っています。
大量生産の安いコップも、簡単に調理できるポトフも、我が家の子供にかかれば大騒ぎ。
楽しいおしゃべりのネタです。
そして、毎日の我が家の夕食の記憶が、楽しい思い出になるならば、高価な食器でなくても、手が込んだ豪華なお料理じゃなくても、ママとしては十分嬉しいなって思うのです。
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食いしん坊息子は お母さんを思いやって ただ大声で泣く
長男が4歳の頃のことです。
食いしん坊長男を園に迎えに行くと、帰り道にいつものように聞かれました。
「ねえ、今日の夕ご飯、何?」
「昨日のおでんが残っているから、今日もおでん。」
「え~~、やだ~~~。」
「おでん、嫌いなの?」
「嫌いじゃないけど、飽きた~。だって、お母さん、毎日違う味じゃん。」
「それはそうだけど、おでんってさあ、2日目が一番美味しいんだよ。」
「やだ~~。」
その日は、忙しい日だったので、事前に準備していたおでん。本当はクタクタだったんだけど、仕方なく、長男の好きなお肉と野菜をいためました。
食事の時間、お皿の上の食事を見て、大泣きを始める長男。
「べつに~、、、おでんでも、、、よかった~~~。」
は?今更、それはないでしょ。
ただね、聞いてるうちに、何となく、親の欲目かも知れないけど、
長男の言いたいことがわかってきたんです。
『ぼくの我儘だった。お母さんに迷惑かけて、後悔してる。』
まあ、そんなとこなんだと思ったんです。
「お母さんが大変だったから、悪いこと言ったなって思ったの?」
「うん~~。。。」
「じゃあ、このご飯、全部食べなさい。」
「わかった~」
泣きながら、全部ご飯を食べました。
そして食べ終わる頃にはケロッとして聞きます。
「ねえ、お母さん、朝ってさあ、何時からだろう?3時くらい?」
「・・・」
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佐々木常夫さんの ワークライフバランス講演会は 家族を大切にしていない
東レ(株)の佐々木常夫のワークライフバランスの講演会が職場で開催され、佐々木さんが自分自身の経験に基づいて考えたワークライフバランスについて聞かされてきました。
内容としては、計画的に仕事をすること、無駄を徹底的に排除することを自分は上手にやってきたのだと力説される、職場にとって都合の良い内容でした。
佐々木さんが東レで課長になった頃に、妻が肝硬変で入院し、小学5年生の娘と自閉症の長男を抱えて苦労して仕事を続け、最終的には社長に上り詰めた経験を話していました。 そして、家庭を守りながらでも、効率的にすすめることで仕事をこなすことは可能だと自慢していました。
だけど、なんとなくもやっとした思いが残りました。何でそう感じるのかと、よく考えてみると、俺はすごいぜって自慢していた佐々木さん。 下の子が小学5年生になるまでは、結局妻に子育てをまかせっきりだったんですよね。
しかも、小学5年生ともなれば、子育てには全く手がかからない楽な時期です。一番大変な、赤ちゃんから幼児の一番子育ての大変な時期は、全く経験していないんです。
つまりは、妻が倒れたから、やむを得ず、それ以降の家のことをやりくりしたって程度のことです。どこがワークとライフのバランスとっているのだか。
しかも、戦友と呼ぶ5年生の娘に、料理をはじめ家事を教え込み、自閉症の兄の世話もあわせて、全部やらせていたんです。 そして、娘は家を出て行き、その後は兄を施設に預け、不安定になった息子の話を聞いてやることがものすごい負担だったとのお話でした。
私たち母親が小学5年生以降の娘を持つと問題になってくる、学校の行事やPTA、夏休みの宿題、受験勉強など、そういった話題は一切出てきませんでした。そうやって、自分は東大を卒業しながら、娘の進学した大学の自慢はありませんでした。
妻とは仲が悪いと講演でも著書でも公言しています。女性に言わせれば、そりゃあこれまで子供を育ててくれた妻への感謝の言葉もなく、講演会では自分のことばっかり自慢してるような夫なら、愛想も尽き果てるってもんです。 どこが、どこがすごいんですか、何を頑張ったんですか佐々木さん。
これを堂々とワークライフバランスだと講演会で紹介し、働きながら必死で子育てして、もうギリギリの女性に、もっと計画的にもっと効率的に働けっていうんだから、なんだか冷酷にさえ見えてきます。
国がすすめるワークライフバランス、一体何を目指しているのか、自分の体を削らないように、よくよく吟味して、間違って波に乗らないように、大切な子供達を犠牲にしないように、うまく工夫して波を避けるべきだと思いました。
真面目な日本の女性は、国が働くべきといえば、働こうと模索を始めます。
身を削って、社会と家庭に尽くす日本の女性たちを、世間は敬意をもって、もっと大切に扱うべきだと思うのでした。
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なぜあなたに、私が虐待してるって言われなきゃいけないの?
大相撲地方巡業で、我が市にお相撲さんがやってきたことがありました。 イベント大好きの我が家は、もちろん家族みんなで、つまり3歳の長女と10か月の次女も連れて見に行きました。
子供のために、ちょっと高いけどマス席を予約。大人4人の場所に大人2人子供2人で座ったんだけど、それでも狭いと感じるのは、子供がウロウロするから。
じっとしていない子供を抱っこして、叱ったりなだめたりしながらだと、私達は、じっくり見ることなんてできません。
たまたますぐ後ろに、70歳くらいの高齢者の女性4人のグループが座っていたのですが、そのうちの一人が、急に私に向けて苦々しそうに言いました。
「こんな小さくて、可愛い子供を虐待するんだからねえ。」
私は、ただの彼女たちの世間話だろうと無視していました。
「信じられないわよね。こんな可愛い子供を殴るのよ?」
私は、彼女の顔を見ました。すると、私をじっと見ています。え?私が殴っているって責めているの?初めて、強い嫌悪感を抱きました。隣にいた同じグループの女性が、たしなめます。
「やめなさいよ。」
「だって、こんな可愛い子を殴っているのよ?」
「このお母さんが殴っている訳じゃないでしょ?」
「殴っているわよ。」
私は、キッと彼女を見据えて、少し強めの声で言いました。
「私は、一度も殴っていません。すべての親が、虐待をしているわけじゃありません。失礼です。」
彼女はそれでも、私が殴っているという見解を変えないようでした。たしなめた女性の方が、とても申し訳なさそうに
「ごめんなさいね。あなたのことじゃないのにね。本当に失礼よね。」
だけど、彼女は謝らないのです。
そのとき、私は確信しました。
この人、虐待した経験があるんだなって。
昔は、虐待なんて言葉もなく、私も学校の先生にひっぱたかれたことがあります。そんな時代を生きてきた母親なら、テレビで報道されるくらいの暴力を、子供にふるった経験があるのでしょう。言ってやれば良かった。
『あなたと一緒にしないでください。』
それ以降は、こんな監視のもとで子育てをしているのだと、見えない監視の悪意が怖いと感じました。そして部屋で子供が泣くたびに、虐待だと思われないか心配するのでした。
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仕事と子育てのストレスって相殺できたりしない?
仕事をしていると、ストレスは自然とたまるものです。
お客様からの理不尽な要求、業務時間内に終わらない大量の仕事、避けては通れない人間関係など、ストレスになる出来事は、次から次へと起こります。独身の頃は、これらのストレスをどう解消しようかと試行錯誤したものです。
子育ても、これまたストレスの連続です。ママが強烈に好きな子供からの、愛情深過ぎるまったなしの要求、食器の中身をこぼす、トイレを失敗するなど、ママの努力では避けられない子供の様々な失敗、時間がないにのんびりと行われる日常行為、何が言いたいのかつかめないけど重要な意味を持つ表情や言葉、我儘にかんしゃく。何もかもが予定通りに進まず、時間ばかりが無駄に過ぎる毎日。1日中子供と一緒にいると、息が詰まります。そして、平日の真昼間に、社会から切り離されたような孤独感と焦りを感じることがあります。
ところが、子育てしながら仕事をしていると、このストレスがうまい具合に相殺される気がするのです。
仕事でストレスがたまれば、柔らかい子供を抱きしめます。母親を心から慕ってくれる小さな手は、ママの擦り切れた心を優しく包んでくれます。
子供の理不尽な要求や子育てが予定通りに進まないストレスを、サクサクと予定通りに進める仕事は、癒してくれます。子供さえいなければ、社会人としての私は、きちんと物事を進めることができるのだと確認をすることで、子育てでたまったイライラが癒されていきます。また、子供以外の大人との、ちゃんと言葉の通じる会話も、心を癒してくれます。
独身時代、時間を気にせず残業をして、思う存分仕事をしていた日々も懐かしいです。
子供がいると時間は自由にならず、ものすごく面倒で大変なのですが、子供が産まれる前の生活に戻りたいとは、微塵も思いません。
大切な子供に、心から愛され求められ、柔らかい愛らしい子供と過ごす日々は、どんなに忙しくてもしんどくても、それでも言葉では言い表せない幸せにあふれているのです。
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