ほっこり子育てワーキングママ

働きながらの子育ては、大変だけど幸せ。ほっこり楽しい日々の出来事に癒されて、子育て楽しいよって伝えたい。

佐々木常夫さんの ワークライフバランス講演会は 家族を大切にしていない

東レ(株)の佐々木常夫のワークライフバランスの講演会が職場で開催され、佐々木さんが自分自身の経験に基づいて考えたワークライフバランスについて聞かされてきました。

内容としては、計画的に仕事をすること、無駄を徹底的に排除することを自分は上手にやってきたのだと力説される、職場にとって都合の良い内容でした。

佐々木さんが東レで課長になった頃に、妻が肝硬変で入院し、小学5年生の娘と自閉症の長男を抱えて苦労して仕事を続け、最終的には社長に上り詰めた経験を話していました。 そして、家庭を守りながらでも、効率的にすすめることで仕事をこなすことは可能だと自慢していました。

だけど、なんとなくもやっとした思いが残りました。何でそう感じるのかと、よく考えてみると、俺はすごいぜって自慢していた佐々木さん。 下の子が小学5年生になるまでは、結局妻に子育てをまかせっきりだったんですよね。

しかも、小学5年生ともなれば、子育てには全く手がかからない楽な時期です。一番大変な、赤ちゃんから幼児の一番子育ての大変な時期は、全く経験していないんです。

つまりは、妻が倒れたから、やむを得ず、それ以降の家のことをやりくりしたって程度のことです。どこがワークとライフのバランスとっているのだか。

しかも、戦友と呼ぶ5年生の娘に、料理をはじめ家事を教え込み、自閉症の兄の世話もあわせて、全部やらせていたんです。 そして、娘は家を出て行き、その後は兄を施設に預け、不安定になった息子の話を聞いてやることがものすごい負担だったとのお話でした。

私たち母親が小学5年生以降の娘を持つと問題になってくる、学校の行事やPTA、夏休みの宿題、受験勉強など、そういった話題は一切出てきませんでした。そうやって、自分は東大を卒業しながら、娘の進学した大学の自慢はありませんでした。

妻とは仲が悪いと講演でも著書でも公言しています。女性に言わせれば、そりゃあこれまで子供を育ててくれた妻への感謝の言葉もなく、講演会では自分のことばっかり自慢してるような夫なら、愛想も尽き果てるってもんです。 どこが、どこがすごいんですか、何を頑張ったんですか佐々木さん。

これを堂々とワークライフバランスだと講演会で紹介し、働きながら必死で子育てして、もうギリギリの女性に、もっと計画的にもっと効率的に働けっていうんだから、なんだか冷酷にさえ見えてきます。

国がすすめるワークライフバランス、一体何を目指しているのか、自分の体を削らないように、よくよく吟味して、間違って波に乗らないように、大切な子供達を犠牲にしないように、うまく工夫して波を避けるべきだと思いました。

真面目な日本の女性は、国が働くべきといえば、働こうと模索を始めます。

身を削って、社会と家庭に尽くす日本の女性たちを、世間は敬意をもって、もっと大切に扱うべきだと思うのでした。

 

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