長男のあおはる(青春)
卒業式が終わり、教室や廊下で仲良しだった友達と、沢山の写真を撮影しました。
在校生の教室を通り抜けて、卒業を祝福してもらい、靴を履いて玄関から出てきます。帰るのかなと思っていたら、友達2名で何だか企画を始めました。
「近くの公園に行こう。」
「わかった。誰に声かけたの?」
「まだ、長男だけ。」
「お母さん、近くの公園に行くんだって。」
長男より随分背の高い、家で名前を聞いたことない友達との口約束。しかも、公園って、普通は玄関とか桜のそばで写真撮影するだろうに。。。
そう思いながら、とりあえずカメラを片手に、長男を見失わないよう追いかけます。
公園が近づくと、お友達は走り出しました。気づくと周りには男女混合で、数人の友達が一緒に走っています。いつの間に増えたんだろう?
「お〜い、○○、こっち来いよ〜。」
あ、こうやって増やしたのね。元気な子供達が、周りの知り合いを手当たり次第に、大声で誘っていきます。
「上まで上がろうぜ。」
子供たちは、スルスルと気持ちよく走って登っていきますが、ママには厳しい。ゆったりと登っていると、早速頂上についた子供達が、ママのカメラに向けてピースサイン。
あれ?
周りを見ると、私しか親はいません。
私が撮影しないと、この出来事は残せないじゃないの!
慌てて、自宅用のカメラから、スマホに持ち替えます。
「今とった写真、ラインで送るからね。うまくみんなに渡してね。」
「はぁ〜い」
ポーズをして、並んでいる姿を、見逃さないように撮影します。だけど逆光。
「ちょっと待って。逆光で綺麗に顔が写らないから、上がるから待っててね。」
きつい坂道を、不思議とスルスル上がれます。若さが伝染したか?
上がってみると10人前後の男女が、嬉しそうに並んでいました。そして、声を合わせてジャンプして、その瞬間の撮影に挑戦。どうやらスマホを持っている子が撮影しているようです。
「せ〜の。」
「どう?あ〜、だめだ〜。ちょっと貸して。私がやってあげる。」
「3・2・1 ジャンプ!」
「どう?あれ?なんで?」
そんなこんなで、5回以上挑戦。最後は諦めて、ワンピースのポーズで決めていました。
でもね、それだけチャレンジしてくれれば、大人はその瞬間を撮影可能。ラインで送ってあげました。
帰りながら、長男が満足そうに言いました。
「なんかさ、あおはる(青春)だよね。」
「そうだね。よかったね。」
「うん。」
長男と、青春を過ごしてくれて、本当にありがとう。