自家用車のメーター 159998キロ
次女を妊娠したときに、家族全員が乗れる大きな車が必要だということで、頑張って購入した我が家のミニバン。
ある日、家族で車に乗り込むと、走行距離が「159998キロ」になっていました。 それに気づいたパパが、家族にしらせると、ええっ!と車内は大騒ぎ。
「家に着いたときに、ちょうど160000キロになるようにしようよ!」
みんなが、普段注目されることのないメーターにくぎ付けです。 パパが、Uターンしようとすると、
「え?あそこより、ここをUターンした方が、家でちょうど16万キロに丁度良いよ。ねえねえ。」
そこで、家族の意見を尊重して、ハンドルを切ってしまうパパ。
ところが、次の信号あたりで、変わると思っていたメーターが変わりません。
「あ、やっぱお父さんが曲がろうとしてたところの方が、良かったかなあ?」
「ねえ、もし家に着いたときに、丁度16万キロじゃなかったらどうする?」
次の信号で、159999キロになると、車内が騒然とします。
「やった~~~。あと1キロだ。ねえ、もし家についてもまだ16万キロじゃなかったら、家の周辺をもう1周しようよ!」
さて、我が家の前に、パパがゆっくり車を止めますが。。。
メーターは動きません。
「はい、もう1周~~!」
大声で叫ぶ長男。家族のためにハンドルをきるパパに、ママは笑います。
「やっぱ、行くんだ。」
そして、我が家の少し向こうの角を曲がったところで、メーターが160000キロにかわりました。
「やった~。おめでとう~~。イエーイ!」
車の中は、ハイタッチの大騒ぎ。
パパが満足そうに言います。
「家族そろってて、良かったよね。」
車を降りながら、長男は、興奮した甲高い声で叫びます。
「こんなきりの良い数字を、家族全員で見ることなんて、ないよ。」
跳ねるように歩く、長男の頭をグルグルなでて、心から楽しいなって思いました。