3人きょうだいが5人になっても 平気な肝っ玉お姉ちゃん
子育て、楽しいだろうなと思っていた私の、若い頃の夢は、5人の子供を育てる肝っ玉母ちゃんでした。テレビで放映される、大家族の番組などを観ては、楽しそうだな~と胸を膨らませていました。
そして、出会った夫に聞くと、
「子供は3人以上かな。」
と言ってくれたので、よし、5人の夢が叶うかもと思っていました。
まあ、結局のところは、体力的に限界だったので、3人になったんですけどね。
長女と話していて、その話をしたときに
「長女は、5人きょうだいのお姉ちゃんになるはずだったんだよ。」
というと、
「わ、やばっ。」
と言ったあと、少し考えて
「まあ、別に2人から2人増えても、大したことないけどね。」
と言っていました。
これを大したことないと、言い切れる、お姉ちゃんの妹と弟は幸せです。
長女は、フワッと笑います。
「だってね、コロナで自宅待機。めちゃめちゃ平和だもん。みんな大人になったしね。不毛な争いが、無駄だって気づいたみたいだから、最近は、本当に平和。」
「いやいや。きょうだい仲良しの、キーマンは長女なんだって。」
「そうかなあ?妹と弟が、すっごい可愛いからだと思うよ。」
「可愛く育てたのが、長女なんだと思うよ。」
「う~ん。生まれたときから可愛かったけどなあ。まあ、次女が下に落ちてるもの、腐ってるかもしれないのに食べるのみて、汚いなあとは思ってたけどね。」
食べたのを、見てたのかよ!
そんなこんなで、いろいろあるけど、平和に仲良く成長している仲良しきょうだいです。
長女がお姉ちゃんで、良かった。
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子供に目隠しされるのって 心が震えるほど嬉しい
家族で外食して、食べた後、ゆっくりしていました。
すると、次女がパパにめかくしをします。
「だ~れだ。」
声で分かるんだけど、パパは困ったように言います。
「う~ん、だれかなあ?」
「ヒントはね、じがつくよ。」
「ん~~、わかんないな~。」
パパの背中に、身体をつけて体重をかけて、甘えるように小さな手で、嬉しそうにパパの目を抑える次女。だけど、次女よりもっと嬉しそうなのは、可愛い娘に甘えられた喜びで、伸びきった鼻の下を隠そうともせず、頬が緩みまくっているパパ。
どっちが甘えてるか、わからない、二人を眺めます。
なんだか、ムズムズするような、じれったい思いで2人を見てると。
柔らかい厚みのある小さな手が、ママをめかくしします。
「だ~れだ。」
これは、長男の声です。
嬉しさで、胸が震えます。
「あらぁ。だれかなあ?」
小さな指が、ふくふくと動いて笑っています。
「えっとねえ、ヒントはねえ、長男くんがつくよ。」
え?今、答えを言った?
「だれだろ~~。」
「だ~れだ。」
「わかった!仮面ライダーフォーゼだ!」
すると、長男は少し考えて。
「せいか~~い。」
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子供の写真で 疲れたママに 笑顔の魔法がかかる
とても忙しかったある日、夜中にやっと仕事を終え、お腹をすかせて、とぼとぼと自宅へ向かう頃には、通りの飲食店の明かりは、ほとんど消えていました。
帰り道のラーメン屋で、カウンターの割りばしを眺めながら、昼間に見つかったミスで、ひどく機嫌を損ねた上司と、謝罪に行ったお客様の苦い顔を思い出し、深いため息をつきます。
ラーメンを待つ間の暇つぶしに、携帯のアルバムを開くと、4年生になった長男が中学2年生の長女におんぶしてもらったときの、はじけるような笑顔が、明るく照らし出されました。長女も大好きな弟と一緒に、フワッと優しい笑顔を浮かべています。うちの子は、いつでも仲良く楽しそうだなあ。頬杖をつくと斜め上を見て、フッと息を吐き出します。
クルクルと携帯の画面を、過去へとさかのぼっていくと、小学1年生だった長女の写真に目が留まりました。ざわざわとした参観日の教室。長女は、ママが見ていることが嬉しくて、発表しながら私を見て、手を挙げながら、振り向いて私を見ていました。そんななか、携帯のカメラを向けた私に、ニッコリと、手を振ったのです。 その信頼しきった柔らかい愛顔を見つめながら、小さくて愛らしかった姿を思い浮かべます。
大きくなったら魔女になると、おもちゃの箒で、空を飛ぶ練習をしていた長女。その真剣な姿を思い出して、クスッと思い出し笑いをしたとき、カウンターの割りばしが、目に入りました。
そのとき、私はハッとしました。
さっきまで、あんなに苦しくうつむいていたママ。それなのに、子供達の可愛い笑顔を見ただけで、こんなにもママの心に、幸せが溢れていくのだということに気付いたのです。
ママの心に、優しい魔法をかける。魔女になるという、長女の夢は、もしかすると叶ったのかもしれません。
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お母さんが楽しそうにしてるから 子育て楽しいって知ってるもん
中学生の長女と、少子化問題について話したことがあります。
「だってさあ、国のために、産めって言われてもね。まあ、すごく真面目な人は、産まなきゃって思うだろうけど、普通の人は、少子化が進む国のためにってだけで、子供を産めるもんじゃないと思うよ。」
「なるほど。確かにね。じゃあさ、長女は何て言われたら、産めると思うの?」
「う~~ん。難しいよね。だって、それぞれ家族に対する考え方ってあるもん。」
「じゃあさ、長女は、子供を産みたい?」
「私は産みたいと思うよ。子育て、楽しいって知ってるもん。」
「へえ、そうなんだ。なんで知ってるの?」
「それはさあ、お母さんが、楽しそうに子育て してるからじゃない?」
びっくりしました。
すごく大きな答えを もらった気がしました。
親が子育てを楽しんでいる姿を見て、子供は将来の自分を重ねているのです。
そして、意外なことに、私の子育ては、子供達には楽しそうに見えていたのです。毎日、泣いたり怒ったり疲れたり、そんなに楽しそうかなあ?
この社会で、私達日本人の親は、楽しく子育てが、できるんでしょうか?
虐待、いじめ、子育てと仕事の両立、報道で強調されるのは、子育ての負の面ばかりです。
誰も手を貸すこともなく、頑張ることばかり強いられて、時には監視までされている日本社会では、よほど意識しないと子育てを楽しめません。
そうか、そういうことか!
子育てを楽しめる社会に、なればいいんだ。
だから、私はあまり人が注目しない、子育ての幸せに注目した、ブログを書くことにしたのです。
率直な若い女子、長女の視点は、フレッシュで新鮮でした。
長女が子育てをする頃、日本の子育てが幸せになってたらいいなって思います。
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食いしん坊長男 串という字は 肉にしか見えない
「串ってさあ、なんであんな字なんだろうね。」
「ん?そうだねえ。長男はどう思うの?」
「僕さあ、あの字見てると、もう焼き鳥に見えてきて、お腹がすいてくるんだよね。」
それを、じっと見つめている、食いしん坊長男。
「今日のご飯、何にしようか?」
「鶏肉の照り焼きがいい!」
親子で、無性に鶏肉が、食べたくなりました。
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帰宅してすぐ 買い物に行かされる クタクタのママ
仕事が本当に忙しくて、今日も残業。
頑張って仕事して、クタクタで帰宅したら、早速子供に責められます。
「もう~。ラインをちゃんと見てよ~。」
見てみると、帰りに買って来てほしいものが、書いてありました。
「ごめん。すぐ買ってくるよ。」
仕事着を着たまま、家を飛び出し、車の中で改めて思います。
だいたい、勝手に投稿しておいて、既読になってないことも気づいているでしょ。
疲れた私が、お腹を空かせて買い物に行かされるって、どういうことよ?
こうやって、閉店ギリギリのお店に、しょっちゅうノートや赤鉛筆などを買いに行かされるママ。毎回ストレスになるので、可愛そうな私のために、家族に内緒で美味しいものを食べることにしています。
今日も、大好きな九州しょうゆ味のポテトチップスを割りばしで食べて、ささくれた心を癒したのでした。
だけど、こうやって家族のために走り回るのも、可愛い子供たちが家にいてくれるから。子供たちが家から独立していったら、誰もママに買い物なんて頼まなくなるでしょう。
もしかすると、将来この投稿を読み返したときは、子供たちに必要とされる日々が、懐かしいのかもしれません。
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ノーベル化学賞 上が分子で 下が分母だよ
家族で、ノーベル化学賞のニュースを見ていました。
詳しくは説明できないけど、分子に刺激を与えて、分子の形を変えるというものです。
それを見て、長女は目を輝かせます。
「うわ、これってすごいね。」
「へえ、長女にも、このすごさが分かるようになったんだねえ。」
「まあね、っていうか、こういうことって、出来るんだね。」
なんだかかっこ良い、難しそうな会話に、参加したい長男。
大きな声で尋ねます。
「ねえ、分子って何?」
すると、次女が張り切って教えてあげます。
「あのね。分数の線があってね、上の数のことよ。上が分子で、下が分母。」
って、分数かよ。
それを聞いて、大笑いのママと長女。
長女が、分子について、分かりやすく説明しようと奮闘しますが。
「え?どういうこと?わかんない。」
長男は、大きな声で、困っているのでした。
年齢差のあるきょうだいの会話は、時々微妙にかみあいません。
かみ合わない具合が、最高に可愛い会話でした。
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