待ってって言っても どんどん成長していく子供
海水浴から帰ろうと準備しているときのことでした。
突然、大きな波が、ザブーンとやってきました。
長女は浮き輪を持って、迷わず海に飛び込みます。
「すご~い。たのし~~い。」
浮き輪で浮かんで、大きな波に揺られながら、長女は歓声をあげます。
もう、怖くないんだな、ママは頼もしい思いで見つめます。
次女は、そ~っと海に近づき、波が来ると、おずおずと後ずさりしています。
長男は走ってママのところに来て、甘えて抱き着きます。
「こわい。。。こわい。。。」
ふと海を見ると、長女が遠くの砂浜で走っています。
どうやら、知らない男の子と競争をしているようです。
心配になったママは、長女を呼びます。
「長女ちゃ~ん。」
「お母さ~ん、お友達ができた~。長女ちゃんと同じ、年長だって~。」
長女は男の子と一緒に、もっと遠くの砂浜に、走って行ってしまいました。
片付けの手を止めて、ママは二人を追います。
2人の傍に近づくと、固い声で男の子が、ママに声をかけます。
「魚をつかまえるんだよ。さっき、オレ捕まえたもん。」
「へえ。。。どこにいるの?」
すると、鋭い声で男の子が、ママに指示をします。
「動くな。たぶんどこかにいるんだ。動いたら魚が驚く。」
ポカンと磯を覗き込んでいる長女。
必死で磯を覗き込んで、魚を探す男の子。
2人の緊迫した様子を見ていると、なんだか帰るって、言いづらくなってきます。
突然、男の子が叫びます。
「いた、そこ。つかまえて!」
小さな魚が、ママの目の前を横切ります。
網も何もない状況で、小さな魚を手づかみ?
当然、手の間をすり抜けていきます。
だけど、男の子を見ていて、しんみりと思います。
年長にもなると男の子は、こんなにもたくましくなるんだ。
そういえば、女の子らしくなってきた長女。
だんだんと心が、小学生になる準備をしているのでしょう。
そして、数年後には小さな長男も、男の子と同じ年長です。
子供たちは、待ってって言っても、どんどん成長していくのね。
しんみりした思いで、子供たちを見つめるママなのでした。
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