仕事の悩み 眠れない夜の 夫の手
はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」
働く母親って、パワフルで、忙しくて、育児と家事と仕事と、頑張ってるうちに、仕事のことなんて忘れちゃうんじゃないの?
そうだったら良いんだけど、帰宅して食事を作って子供を寝かせて、洗濯しながらお風呂に入って、ため息をついたときに、思い出します。
あぁ、あれ、どうしよう。。。
男性と肩を並べているのだから、同じように課題が肩にのしかかります。時には、抱えきれないストレスも。
その日の夜は、悩みが深くて眠れませんでした。
「ダメだ。」
小さくつぶやいて起き上がったとき、夫が気付いて目を覚ましました。
「眠れないの?」
「うん。仕事がさ。」
だからといって、守秘義務があって、何もかもは話せない。悩んでる、事実だけです。
「清濁併せ呑むしかないのかな。私、濁って美味しくないから、苦手よ。」
「そんなのは、上に任せとけばいいんだよ。呑まずに、相談すれば良いんじゃない?」
「そんな、簡単に言ってくれるよ。」
そう言いながら、明日は上司と相談しようと決めます。
「手、貸してくれる?」
「いいよ。」
パパの片手を、両手で握ります。
ここで、パパはすぐ、いびきかいて寝るんですけどね。
(もう、すぐ寝るんだから。)
と、パパを不満に思ってると、いつも不思議と眠れるのです。
実は、心配性で怖がりの私が、職場で、まるで平気なフリしてる。
それを、夫にだけ、知っておいてもらうのは、とても良いことだと思います。