ほっこり子育てワーキングママ

働きながらの子育ては、大変だけど幸せ。ほっこり楽しい日々の出来事に癒されて、子育て楽しいよって伝えたい。

ヘルニア手術の説明にビビる

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手術の説明には、家族の同席を求められました。
それって、ずっと面会できなかった、夫に会えるということ。そこで朝から、髪をといて、病衣の合わせを整え、何度も鏡を覗きます。

約束の時間の随分前から、ソワソワ廊下を何度も覗きます。そして、廊下の向こう側から歩いてくる、見慣れた夫の顔に、心がほっと和みます。そっと手を触ると、柔らかく温もりが伝わります。会いたかった。

医師からの説明は、シビアでした。
ヘルニアのサイズは、担当医にとって今シーズン最大であること。このままだと、足の筋肉を動かす神経に影響が及び、将来転びやすくなるなどの、悪影響が心配されるため、手術はやむを得ないこと。本来は、腰の手術なんてするもんじゃないこと。
全身麻酔を実施する方法。麻酔の際に、歯が欠ける可能性があること。
手術の方法。背中を切り、骨に穴をあけて、ヘルニアを取り除くこと。骨の中のヘルニアも取り除くこと。骨は再生されないこと。骨の中は、また時間をかけて髄液などで埋まること。もし神経を、傷付けたら縫って、さらに輸血成分から作られた糊のようなもので貼ること。その場合、1週間程度の頭痛の可能性があること。
1週間以内に、再手術の可能性があること。
数年以内に、再発の可能性が高いこと。
夫が冷静にいくつか質問をすると、担当医が端的に回答します。
「本人さんから、何か質問ありますか?」
担当医と夫が、同時に私の顔を見ますが、あんまりショッキングで、質問も浮かびません。
「特に、ありません。」
いつも、よくしゃべって質問もする私なので、担当医は心配そうに見つめます。

説明が終わると、廊下を歩いて、エレベーターの前で立ち止まります。そして、窓の外を眺めながら、夫に手を握ってもらいます。
「ねぇ、やっぱり手術や~めたって、あり?」
「そりゃ、仕事がないならね。長期間入院して、何ヵ月も何年も療養して、手術しないで、治るまで待てるかもね。」
「そういうことになるかぁ。」
「治るんだから、手術すれば良いじゃん。」
「まあね。そうなるよね。だって怖いよ。」
「大丈夫だよ。」
時計を見る夫。忙しい時期だと、知らなきゃ気楽なのに。寂しく、手を振って別れます。

手術の怖い話を沢山聞いて、すっかり心が萎えた私。思い立って、閉店直前の、売店に行きました。残り少ない商品から、慎重に選んだのは、カップで売ってる、大好きなレアチーズケーキ。

会計に並んでいたら、主治医が入って来ました。そして、ニッコリ笑いながら、コミカルに私のおやつを指差します。
「あぁ、いいなぁ。」
優しい突っ込みに、私は最大限の笑顔を見せて言います。
「頑張る私に、ご褒美です!」

夜は、手術のことが頭をよぎって、なかなか寝付けませんでした。そこで、急に思い出す、どうでも良いこと。

しまった。
夫に愛してるって、言い忘れた。